アパートの解約申し入れ通知書が来た!実際に貰った立ち退き料を相場と比較

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賃貸で住んでいると、大家さんの都合で退去を求められることがあります。

退去を求められることは人生で一度あるか無いか?の確率だと思いますが、いざ自分がその立場になったら「どうしたらいいのだろう?」となってしまいます。

インターネットで調べてみても相場の金額が書いてあるだけであったり、中には多額の立ち退き料を貰った例なども見つかり、イマイチ何が正解なのかがよくわかりません。

そこで居住用の建物について、立ち退き料の考え方と相場、私が実際に貰った額を紹介します。

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立ち退き料とは

立ち退き料とは、大家さんの都合で入居者を立ち退かせる(契約解除)場合に、大家さんから支払われるお金のことです。

入居者は大家さんの都合によって、簡単に契約を解除させることが出来ない様に法律でしっかり守られていますので、契約解除には「正当な理由」があり且つ、入居者が受ける損害を補償する必要になります。
そこで、立ち退き料が支払われるのです。

立ち退き料に含まれるもの

立ち退き料は損害の補償という性質から、次の住居を退去するときに戻ってくる「敷金」や賃料に充てられる「前払い費用」は、含まれる場合とそうでない場合があります。

・次の住居の費用
仲介手数料
礼金
敷金
賃料の前払い費用
・引越費用
・迷惑料

立ち退き料はどのくらいが妥当?

インターネットで調べてみると、6~10カ月という情報が一番多い意見のようです。
そこで、実際にどのくらいになるかシミュレーションしてみます

先ほども書いたとおり、今の場所に住み続けた時との差分として考えます。

①仲介手数料1ヶ月分

仲介手数料は概ね賃料の1ヶ月分、0.5カ月(半額)、0(無し)の設定が一般的だと思いますが、ここでは一番多いと思われる1ヶ月とします。

②礼金1ヶ月分

礼金は概ね0(無し)~3ヶ月の設定が一般的だと考えられます。
ここでは1か月とします。

③敷金1ヶ月分

敷金も礼金と同様に0(無し)~3ヶ月の設定が多いと思いますが、
ここでは1ヶ月とします。

④賃料の前払い費用1ヶ月分

家賃は翌月分を前払いするのが一般的です。
そのため、新たに入居する場合は一括して前払いする必要があり、ここでは1ヶ月分とします。

⑤引越費用1ヶ月分

引越し費用は家族の人数、荷物の数、引越時期など、変動要素が大きいため具体的な数字が出しにくいため、私が実際かかった金額としました。

⑥迷惑料1.4ヶ月

迷惑料は立ち退きの為にみなさんご本人が行動しなければならない事への対価と考えます。

前提条件

・新居は現在の住まいと同じ規模の家(広さ、家賃)
・家賃と手取りの比率:手取り収入の30%
・就業日:20日/月
・就業時間:8時間

それでは計算をしてみましょう。
家賃1ヶ月分は自分で働いた場合の時間換算をすると、次のようになります。

家賃1か月分の時間数=8時間×20日×30%=48時間

次に実際にどのくらい行動しないとならないかをまとめました。

・交渉:4時間(面談2回)
・新居の検索:16時間(2日間)
・内覧:3時間
・契約:3時間
・片付け荷造り:24時間
・住所変更諸々:8時間
・引越:8時間
合計:66時間
1.4ヶ月 ≒ 66時間 / 48時間

立ち退き料のまとめ

①~⑥を合計する今回の前提条件では6.4ヶ月分となりました。

仲介手数料や敷金、礼金がゼロの場合もありますが、全部がゼロの場合は非常に少ないと思われますのでインターネットで相場といわれている、6~10ヶ月分と概ね一致する結果となりました。

最低値今回試算最高値
仲介手数料0ヶ月1ヶ月1ヶ月
礼金0ヶ月1ヶ月3ヶ月
敷金0ヶ月1ヶ月3ヶ月
賃料前払い費用1ヶ月1ヶ月1ヶ月
引越し費用1ヶ月1ヶ月1ヶ月
迷惑料1.4ヶ月1.4ヶ月1.4ヶ月
合計3.4ヶ月6.4ヶ月10.4ヶ月

 

実際に貰った立ち退き料

まず私の場合は事情が少し特殊です。
5月に契約し住み始め、12月に契約解除通知が送られて来たので、実質半年しか住んでいませんでした。
そのあたりも考慮して交渉した結果、私がもらった立ち退き料は約7ヶ月分でした。
内訳は以下の通りです。
①仲介手数料:1ヶ月(旧居分)+1ヶ月(新居分)
②礼金:0(新旧共に無し)
③敷金:0.5ヶ月(クリーニング分)
④賃料の前払い:0
⑤引越費用:1ヶ月(実際には大家さんが引越し業者へ直接支払い)
⑥迷惑料:3ヶ月
⑦その他、鍵交換代(新居)&保障委託料の清算(旧居):0.5ヶ月

実際に交渉したのは迷惑料だけです。

最初の通知で提示された迷惑料は1ヶ月分となっておりました。

しかし、代理人からの説明の時に「内容についての要望や質問は遠慮なく申しつけください」と言っていただけました。

そこで、「ネットで見ると相場が6ヶ月くらいの様ですが、そもそも半年しか住んでいないので半分の3か月でいかかでしょう?」と交渉し、要望が通った形になりました。

立ち退き料が支払われるまでの流れ

立ち退き料が実際に支払われるまでの流れは次の様になります。

契約解除通知が送られてくる

実質の立ち退き要請に当たり、これがすべてのスタートになります。
大家さんの名前で書面にて通知されます。

私の場合は内容証明郵便で送られてきました。

内容証明郵便とは

一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。※日本郵便HPより引用

代理人による契約解除についての説明

送られてきた通知書の内容を詳細に説明してくれる場が持たれます。

実際に話し合われる場所は、代理人の事務所や近くのワーキングスペース、喫茶店、ファミリーレストラン等さまざまです。

都合の良い場所を尋ねられると思いますので、ご自身の希望を伝えると対応してくれます。

交渉

交渉は内容が二つあります。

1)立ち退き料

事前もしくは代理人から説明を受けた時に提示された立ち退き料に対して、自分の希望額を提示し交渉します。

根拠を持ってロジカルに要求すればよりスムーズに進められるでしょう。

先に記載した内容を参考に説明しましょう。

2)明け渡し期日

こちらも事前に提示があると思いますが、今の住まいを完全に明け渡すために、やらなければいけないことが沢山あります。

詳細は迷惑料のところに書きましたが、特に次の2つを念頭に交渉しましょう。

①新居探し

これが一番時間がかかります。

近くの不動産屋さんを回り、希望を伝えて連絡をもらうことになるのが普通です。

しかし、今はインターネットで色々な物件を素早く検索できますので、そちらも併用して早めに見つけましょう

②引越費用の見積りと日取り

新居のカギがもらえる日に目途がついたら次は引越しです。

なるべく安くするためには複数の引越し業者に同時に見積もるのがカギです。

インターネットの一括見積サービスを利用するのがオススメです。

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内容の合意と書類への捺印

立ち退き料と明け渡し期日が合意出来たら、その内容が書かれた合意書(契約書)が作成されます。

内容をよく確認して問題なければ捺印(サイン)しましょう。

通常は大家さんと自分自身の2通を作成し、1通ずつ保管することになります。

立ち退き料が振込まれる

合意書の捺印が終わると、指定した口座に立ち退き料が振り込まれますので、金額をしっかり確認しましょう。

また、合意書(契約書)は後から問い合わせや確認で必要になる場合がありますので、捨てずに大切に保管しましょう。(税金関連は7年)

税金

最後に忘れてはいけないのが税金です。

え?こんなに大変な思いをしたのに税金取られるの?」と思いますよね。
しかし日本に住んでいる以上、法律には従わなければいけません。

国税庁のホームページでは次の様に定められています。

1 資産の消滅の対価補償としての性格のもの
2 収入金額または必要経費の補填としての性格のもの
3 その他の性格のもの
上記1および2に該当する部分を除いた金額は、一時所得の収入金額となります。
※No.3155 借家人が立退料をもらったとき(国税庁HPより抜粋

居住用の建物の場合、3番目の一時所得にあたることが多いと考えられます。

実際にかかる税金は次の様になります。

 

譲渡所得の金額 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)-50万円

なお、譲渡益の合計額が50万円以下のときは、その金額までしか控除できません。
※No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税) (国税庁HPより抜粋

では、例を考えてみましょう。

立ち退き料:30万円
引越費用:10万円

譲渡所得の金額=30万円-10万円=20万円

ここで、譲渡所得の金額が50万円以下のため、一時所得は「0円」となり所得税はかかりません。

これは立ち退き料だけではなく、その年の1月1日~12月31日までの合計となります。

他の一時所得と合算になりますから、脱税にならないように気を付けて計算しましょう

まとめ

 

大家さんから退去を求められたときの立ち退き料は3.4~10.4ヶ月分が相場

立ち退き料を貰っても、仕事をしながら交渉と並行して新居探しや諸手続き等、やらなければならないことが多くあり大変になると思いますが、みなさんの参考になれば幸いです。

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