瀬戸内海に浮かぶ周囲3.6kmの小さな島「犬島」。
岡山市の唯一の有島で、歩いても2~3時間でまわることが出来るこの島の見どころは次の3つです。
犬島 くらしの植物園
犬島「家プロジェクト」
2019年の瀬戸内国政芸術祭の会期中に訪れましたので紹介したいと思います。
旅程の組み方ですが、11:00宝伝発のフェリーで向かい、13:00過ぎのフェリーで宝伝に戻るか、豊島~直島へ渡り観光を続けるプランにすると良いと思います。
犬島は休館日がありますので、公式HPで詳細を確認のうえお出かけください。
いざ犬島へ(JR岡山駅→宝伝港→犬島)
本州・岡山からのアクセス方法は、JR岡山(赤穂線)→JR西大寺→西大寺駅(両備バス)→西宝伝→徒歩で宝伝港です。所要時間は約1時間15分。
宝伝港に着くと定期船の「あけぼの丸」が停泊しています(写真の船です)。
小型の高速艇なので波があると結構揺れます。
乗船する前に料金を支払いますが、長テーブルのところにおばちゃんが立っていて集金されます。
取り扱いは現金のみでクレジットカードは「×」使えません。
犬島から帰ってくる時もこの場所で支払いをしますので、犬島での集金はありません。
「あけぼの丸」の船内はこんな感じで結構狭いです。定員80名ですが着席できるのは30名くらいでしょうか。
立ち乗りの人のスペースはありますが、摑まるところが少ないので早めに乗り込んで座ったほうが無難です。
宝伝⇔犬島間は2.57kmで所要時間は約10分でした。
犬島チケットセンター&カフェ
犬島の港着いて下船するとチケットセンター(黒い建物)があります。
中に入るとカウンターがあるので、まずここでチケットを購入します。
このチケットは犬島精練所美術館と犬島「家プロジェクト」、犬島くらしの植物園の共通で使うことが出来ます。
瀬戸内国際芸術祭の会期中はパスポートを持っている人もここで見せて、チケットを貰うことになります。
白い方がチケット兼冊子です。これをゲットしたら、さっそく犬島精練所美術館に向かいましょう。
ちなみに、このチケットセンターにはカフェが併設されていて、食事をとることが出来ます。
私は名物のタコ飯を頼みました。
犬島精練所美術館
道の突き当りが犬島精練所美術館です。歩いて大体5分くらいの場所にあります
最初の門に通って中に入ってゆくと、要塞を囲っている様な壁がたくさんあって迷子になりそうですが、まっすぐ歩いてゆくと建物の入り口への案内板が出ています。
アート作品
建物の中は撮影禁止ですので写真は撮れません。
美術展示は6作品ありました。
イカロス・セル
建物の入口から入ると通路を歩いて行きます。通路は何回か折れ曲がりますが、最奥に鏡が設置されており必ず入口側と出口側が見えるようになっています。
入口側には燃えている?溶鉱炉で銅が溶けている?といった映像が流れています。
出口側は外の光が取り込められる様に窓がありそれが見えます。
ソーラー・ロック
イカロス・セルを抜けると、暗い半円筒の空間に入ります。中央の下側には水が溜まっていて、ここに引き戸や棚など三島由紀夫の住んでいた家の書斎の建具が上から吊るされています。
イカロス・タワー
ソーラー・ロックの突き当りに位置していて、少し階段を上って部屋の外をのぞき込むように鑑賞します。
ここにも三島由紀夫の家の建材であるドアや階段、障子戸が吊るされているのと、便器が転がっています。
唯一外の光が直接入ってくる場所なので非常に明るいです。
スラグ・ノート
精練所のスラグを使った部屋で、床に三島由紀夫の書籍の文章に使われている文字がちりばめられていました。
ミラー・ノート
暗い部屋と明るい部屋をつなぐ場所になっています。
2枚の大きな鏡が向かい合って置いてあり、その間から鑑賞することになります。
鏡にプロジェクションマッピングで赤いテキストが流れています。これは三島由紀夫の「英霊の聲」に出てくるものだそうです。
ハッキリ言って結構怖いです。ちょっとホラーな感じです。
ソーラー・ノート
ここには三島由紀夫が自決する前に詠んだマニュフェストの内容が金色の文字で繫ながれ、上から吊るされていました。
ここまでを、ざっと見るだけであれば5分くらいの量です。
精練所跡~発電所跡(屋外)
美術館から出ると、精練所跡の屋外を歩きながら発電所跡を周って戻ってくることが出来ます。
アップダウンがあり、ちょっとしたハイキングになります。
まずは階段を上って行き丘の上を順路に従歩いて行きます。人がすれ違える程度の幅の道を歩いて進んで行きます。少し木が多いエリアもあり、所々で広場の様なところに出て見晴らしが良かったりします。
発電所も大きな煙突のある建物でした。
犬島精練所跡と発電所跡はまるでロールプレイングゲームのフィールドの様な感覚になる建物や地形がいっぱい。
所要時間は約20分。
雨と風が強いときは傘を使うと折れてしまったり前が見え辛くて危ないので、レインコートやポンチョを用意してゆくと安心です。
犬島「家プロジェクト」
犬島精練所美術館を出た後は、犬島「家プロジェクト」を見てまわりましょう。
F邸→石職人の家→S邸→A邸→中の谷東屋→犬島ハウスプロジェクト→犬島くらしの植物園→C邸→I邸の順番が効率よくまわれます。
まずは前半、F邸から犬島くらしの植物園です。
ルートは次の通りです。ゆっくりと鑑賞しながら歩くと所要時間は30分~45分ほどです。
F邸は撮影禁止のため、写真を撮ることが出来ません。
中の谷東屋にある作品は、音を出すとそれが反射・反響して音色が変わる面白い体験ができます。
声や特に足音は音が変わります。タップダンスを踊る感じでステップを踏みながら音を出してみましょう。
支柱を叩いた低めの金属音は変化しません。
案内標識に従って歩いていき、海岸線に出ると犬島ハウスプロジェクトの大きな犬のオブジェのある家が見えてきます。ここまでくると「くらしの植物園」は目の前です。
後半は犬島くらしの植物園からチケットセンターです。
C邸のアート作品は建物の中に作品がありますが、残念ながら中に入っての撮影禁止でした。
I邸は鏡を使った映り込みのアートで、外の風景も取り込んだ像を見ることが出来ます。
犬島くらしの植物園
くらしの植物園は自然のサイクルを用いた循環システムの試験を行っているそうです。
自給自足をしながら自然とともに生きてゆく体験ができるとか。
奥の方に鶏とチャボ?が放し飼いにされていました。
ハウスとその周りの見学だけだと所要時間は約5分ほどです。
バーベキューをしたりしてゆっくり過ごすこともできると思います。
犬島へのフェリー
犬島へのアクセスはフェリーで、乗船できるのは人間のみ。自動車や自転車は不可です。
航路は通常「宝伝⇔犬島」、「直島⇔豊島⇔犬島」2つですが、2019年 瀬戸内国際芸術祭の会期中はさらに「小豆島⇔犬島」、「牛窓⇔犬島」、「京橋⇔犬島」の3つが追加されていました。
これらは高速旅客船(つまり小さい船)のため、少し風が強くて波が高くなると欠航してしまうので注意が必要です。
私が訪れた時は2019年 瀬戸内国際芸術祭の会期中で、「宝伝→犬島→豊島→小豆島」という旅程を組んでいました。しかし、雨風が強くなり犬島→豊島が欠航、犬島→小豆島も欠航。
犬島から出られなくなりそうになり、慌てて「犬島→宝伝→タクシーで新岡山港→小豆島」というルートに変更しました。新岡山港⇔小豆島は大型のフェリーです。
宝伝~犬島
宝伝からの定期船は「あけぼの丸」。
港はフェリーターミナルや待合室的なものはなく、小さな漁港と変わりません。
時刻表は写真の通りです。
直島⇔豊島⇔犬島
直島(宮浦)→豊島(家浦)→犬島
直島発 | 豊島着・初 | 犬島着 |
9:20 | 9:42・9:50 | 10:15 |
12:10 | 12:32・12:40 | 13:05 |
14:50 | 15:12・15:17 | 15:42 |
犬島→豊島(家浦)→直島(宮浦)
犬島発 | 豊島着・発 | 直島着 |
10:25 | 10:50・10:55 | 11:17 |
13:10 | 13:35・13:40 | 14:02 |
15:47 | 16:12・16:17 | 16:39 |
3/1~11/30:月・水・木・金・土・日曜・祝日
12/1~2/末:月・金・土・日曜・祝日
※豊島美術館・犬島精錬所美術館の休館日に合わせて運休。片方の美術館が休みの場合はその港には寄港しない。
詳細は公式HPをご確認ください。
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