【アナと雪の女王2】なぜ、魔法の森とダムがあるのか?【考察】

アナと雪の女王2のタイトル画像 映画

先日、2019年11月22日に日米同時公開された”アナと雪の女王2”

映画館で観てまず初めに思ったのが、今回は”大人向けの作品”だということです。
今の世の中に対してディズニーが大きなメッセージを発信していると思いました。
そこで、感想と考察をまとめました

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今の世の中

高度経済成長の時代なら、大きな目標があって頑張れば頑張っただけ幸せになれる、そんな時代でした。
しかし今の世の中は違います。
ビジネスや社会情勢は”VUCAワールド”といわれており、これは”Volatility(変動性)”、”Uncertainty(不確実性)”、”Complexity(複雑性)”、”Ambiguity(曖昧性)”の頭文字をつないだもので、予測困難な時代を表しています。

作中では精霊が暴れ国民が避難したときに、トロールが「未来が見えない」と言っています
これはまさにVUCAの状態のことを示していると思います。

ではどうしたら良いのか?
その答えは「未来が見えない時は、今できることをする」という事です。
これは目の前のことに対処するという事ではなく、この先をどうするべきか自ら考え行動するということ。
エルサ、アナ、オラフ、クリストフ、スヴェンは出来ることするために行動を起こすのです。

魔法の森とダムが象徴するもの

魔法の森は深い霧に包まれており、外との接続を頑なに拒絶して独自性を保っています
エルサにより一行は中に入ることが出来ましたが、アレンデールの兵士とノーサルドラの民が戦争を続けている状態でした。
つまり、中では35年間、毎日同じことが繰り返して続いている
そしてダムが崩壊するまでその状態が続いている。

魔法の森とダムは現状維持が第一で、変化をもたらす外部との接触を拒むみ、目の前のことを古いやり方を踏襲し続けるこれまでの社会を表しているのです。

なんだか会社にいる古い考え方の人たちと若い人たちを見ているようですね。

精霊が意味すること

精霊はエネルギーの象徴だと思います。
本作では「火の精霊サラマンダー」、「水の精霊ノック」、風の精霊「ゲイル」、大地精霊「アースジャイアント」が暴走して大暴れします。
第5の精霊「エルサ」も前作で暴走して大暴れしていました。

みなさんもご存じの通りエネルギーは放っておくと暴れまわりますが、しかるべき方法でコントロールすることが出来ます

アースジャイアント以外の精霊はエルサによって暴走を止められコントロール下に治められました。
アースジャイアントはアナによってダムが崩壊することで止められました。
エルサはアナ(1作目)とアートハランで止めらコントロール可能なりました。

これからの世の中、エネルギーをどうやってコントロールしてゆくか?一つの問いかけをしている様に思えます。

水の役割

ディズニーが水に持たせたもの

本作で登場する水に持たせたものはズバリ情報なのだと思います。

オラフは水には記憶があると言い、エルサは水を凍らせることで、魔法の森で起きた内容や父親と母親の真実を知ることになります。

水は地球上に大量に存在し、私たちの生命維持には必要不可欠なものです。
しかし、時には水害の様に生命を脅かします

同様に、今の世の中は情報社会であり、膨大な情報で溢れかえっています
情報は私たちの生活にもはや必要不可欠の存在になっていますが、すべての情報を得てしまうとパンクしてしまったり惑わされて、我々の生活の脅威にもなってしまいます

 

エルサの能力の本当の意味

エルサの持つ氷の魔法の真の能力は、情報や状態を固定し具現化することだと思います。

作中ではダムが崩壊したときに大量の水が流れ出し、アレンデールの街に襲い掛かりました。
エルサがこの水の一部(必要な情報)を氷の壁に変化させて(具現化)利用し、不必要な水の軌道を変化させて街を救いました。

つまり、情報をどのように整理して取捨選択し有益に使うのか?そういったことをディズニーは問いかけていて、今回の使い方は答えの一つなのではないかと思います。

エルサとアナはイノベーション

アナと雪の女王シリーズはダブル・ヒロインなのですが、その理由が今回明確になったと思います。

エルサが第5の精霊として架け橋の役目を担うためには双方に接続点が必要で、その片方がアナなのです。

これは今、実社会で必要とされるイノベーションをディズニーが私たちに伝えようとしているのだと思います。
イノベーションは新しい切り口、とらえ方、使い方等の新結合のことです。

世界中で盛んにおこなわれているオープンイノベーション。
これはイノベーションのプロセスを内部だけではなく外部ともつなげて行うことです。

本作ではアレンデールやノーサルドラが内部の古いやり方を続けるのではなく、お互いがオープンにつながり、新しい世界を築いてゆくというエンディングになっていることからもわかります。
そして実は、エルサとアナが新結合の最初の一歩だったこともわかると思います。

最後に

このアナと雪の女王2は、変化を恐れずに未来を自ら考え、今できることをして欲しいというディズニーの強いメッセージを感じました。

このメッセージは物語として大人へ、映像と音楽で子供たちへ向けて作られたのだと思います。

個人的には(みんなも気になっていた?)、”この国の王族の存続は大丈夫?”に関してもクリストフがアナにプロポーズしてOKを貰い、アナが王女になってつながってゆくことが分かったので安心しました。

いかがでしたでしょうか。
個人的な考察ですので、色々な意見があるかとは思いますが、皆さんにアナと雪の女王2に興味を持っていただく一つの材料になればと思います。

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